音楽と歩んだ40年──ロサンゼルスクラブの物語
ここではロサンゼルスクラブの歩んできた歴史をご紹介します。
ロサンゼルスクラブは1985年にオープンしました。
2025年には開業から40周年を迎えます。
ライブハウスとスタジオの両面で、変わらぬ情熱と空間を提供し続けています。
店内には、時代を感じさせるポスターやオブジェが並び、訪れる人々の記憶を刺激します。
世代を超えて、多彩な音楽活動にご利用いただいてきた歴史が詰まっています。
近年では、氣志團やフジファブリックの原点としても知られるようになりました。
映画のロケ地として使われることもあり、“知る人ぞ知る”音楽スポットとしても注目されています。
日常的にはロックやポップスのライブが中心ですが、
アコースティックライブや季節のイベントなど、多彩な企画も随時開催しています。
学生バンドや軽音サークルの皆さんにも親しまれている場所です。
時代がデジタルに進むなか、ロサンゼルスクラブはアナログの温もりを守り続けています。
照明卓は丸茂製、照明はハロゲン、ミキサーはアナログ仕様──そのすべてが独特の音と雰囲気を生み出しています。
また、クラブの裏側には“隠れ家的”リハーサルスタジオも併設しています。
広さや機材構成の異なる3つのスタジオを完備。
すべてのスタジオにはドラムセットを常設し、バンド練習にも最適な環境です。
ロサンゼルスクラブの転機と再生
2009年11月、ロサンゼルスクラブに閉店の危機が訪れました。
リーマンショックによる経済悪化の中、オーナー新関氏が閉店を決断。
しかし、「この場所を残したい」という想いから、再生の道が模索されました。
そこで選ばれたのが、音楽・演劇・ダンス向けスタジオ再建の実績を持つ「インフォレント」でした。
人を切らずに守る“意識改革”からのスタート
再建は単なる経営の立て直しではなく、「人」を軸に据えた挑戦でした。
スタッフもミュージシャンも、誰ひとり切り捨てない。
2009年12月24日、「意識改革」の再建が静かに始まりました。
翌年1月、元店長が予定していた「ラストライブ」は「年明けライブ」へと名称を変え、希望の灯を繋ぎました。
“魂”を守るロックな再建
ただ経営を立て直すだけでなく、スタッフ自身が誇りと夢を持てる場所であること。
聴きに来る人も演奏する人も、ここが“自分の居場所”だと感じられる空間であること。
それがロサンゼルスクラブが目指した再建の形でした。
この挑戦は、全国のライブハウスが直面する課題とも重なります。


再建の軌跡と現在
2010年以降も、少しずつ設備改善を重ねながら営業を継続。
ウォシュレット化、照明やミキサーの刷新、防水工事などを全員参加で実施。
2011年の震災、2014年の豪雨、2020年からのコロナ禍といった危機の中でも、営業を止めず進化を続けました。
コロナ禍では換気性能を基準の5倍に強化し、安心なライブ環境を実現しました。
2024年、新たなステージへ
2024年10月、「突然少年」「僕のレテパシーズ」で活動するギタリスト・カニユウヤ(ロハス前店長の息子)が店長に就任。
“日本一音が良いライブハウス”を目指し、日々進化を続けています。
スタッフ一人ひとりが、音楽と人を信じ、この場所を守り続けています。
